あの日のこと

今でもはっきりと思い出せる。その当時おいらは大阪の大学生、後期試験がスタートするその日だった。大阪にいたので震災のど真ん中ではなかったけど。

徹夜で勉強をし、ちょうど仮眠をしていたときだ。なんだか胸騒ぎがして目がさめた瞬間、聞いたことの無い音が聞こえた。ご~というか、ぐぐぐというか・・・。その瞬間大きな揺れが。自分が知っている地震の揺れとは明らかに違うそれ。

揺れがおさまると早朝にもかかわらず近所の人たちが騒いでいるのが聞こえる。窓を開け、空を見るとそこにも今まで見たことの無い空が広がっていた。

何が起こったか分かっていなかったおいらは、なんと、そのまま寝てしまった。そして、友達からの電話で起こされた。しばらくは電話も繋がったのだ。とにかくテレビを付けろと言われテレビをつけると、あの光景が広がっていた。そのときもまだおいらにとっては現実ではなかった。試験あるかな?とか冷静に考えている自分。電話で確認すると大学の対応はお粗末で、よくわからないけど電車が動いてたら来てくださいとの返答。今考えるとありえない。

だんだんと状況がつかめ、大変なことになったと徐々に感じ始める。事実、友達は家を無くし、同級生が亡くなり、多くの人が・・・。

試験は3日後に開始された。多くの人は、おいらも含めて黙々と試験を受けた。それに抗議し白紙でテストを提出する人、試験なんかより学生がやるべきことがあるんじゃないかと相談しあう仲間たち・・。

おいらは最後まで現実としての震災をきちんと受け止めることができず、何の行動もできなかった。友達の心配をし、はげますだけが精一杯だった。

今なら何かできるだろうか・・・忘れないこと、少しでもみんなが忘れないように努力すること。0では無いかもしれない。

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